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鍵の隠し場所と危険性

住まいと暮らし
2019.11.14

その隠し場所、バレバレかも?!よくある「鍵の隠し場所」

同居している家族同士などで、鍵のやりとりをするために、一時的に隠しておくことがよくあるようです。不在の家族が鍵を持っているか不安な場合、あるいはお子さんが鍵を無くしてしまうことを懸念して、合鍵を渡さず、どこかに隠しておくことなども考えられますね。
今回は、そんな生活の知恵「鍵の隠し場所」が、ややもすると「お家を危険な場所に変えてしまうかも?!」というお話です。

「有名な」鍵の隠し場所は、はたして「有効」といえるか

「有名な」鍵の隠し場所は、はたして「有効」といえるか

鍵の隠し場所としてよく使われるとされるのが、郵便受けや植木鉢の下、小窓の中だそうで、そのまま置くだけでなく、郵便受けや植木鉢の上面にガムテープで張り付けておいたり、他のものに挟んでおいたりというアレンジしたケースもあります。いずれも戸建てにも集合住宅にも備わっているので、お子さんでも不自由なく使いこなせる場所といえるでしょう。

その他にも、玄関マットの下、消化器の下、エアコンの室外機の下、水道などのメーターボックスの中、傘立ての傘の中、自転車のかごの中、犬小屋の中など、ほとんどは玄関回りなどが挙がります。しかし、この中でどこが見つかりにくいか、おすすめか、という話ではありません。

泥棒に狙われたら、うまく隠したつもりでも高確率で見つかってしまうと思ったほうがいいでしょう。隠し場所は案外限られているもので、家族同士で鍵をやりとりするこの方法は、泥棒にはすでにバレバレと言っても過言ではありません。

鍵を隠すことのリスク

警察庁の統計(平成30年)によると、侵入犯罪の侵入口として、「表出入口」は戸建てで「窓」に次ぐ2番目の18.2%、3階建て以下の共同住宅で同じく「窓」に次ぐ34.8%、4階建て以上の共同住宅で1位の54.1%となっており、さらに侵入方法としては、いずれの住宅も1位の「無施錠」が全体の40%台となっています。

この「無施錠」には、単純に「鍵を閉め忘れた」と片付けられない部分もあります。それは、シリンダー(鍵穴)やその周囲に【不正に開錠された痕跡が無い】ということです。つまり、何らかの方法で、【ふつうに鍵を開けて入った】という可能性も含まれているのです。 そういう点から見ても、防犯上、鍵を【誰でも手に取れる場所に】隠すということは、とても危険なことだといえます。原則として、鍵は持ち主から離してしまった時点で、他人に鍵が渡る危険性は極端に高まるのです。

「侵入までの時間をかけさせること」は、防犯において、非常に重要で、有効な手段のひとつとして知られています。もしも泥棒が鍵を持っていたら、侵入犯罪の主要な侵入経路である表出入口(開口部)を壊したりせず、時間をかけずに侵入できる、まさに“鍵”となり、泥棒側からすれば、その隠し場所を経由するだけで、労せず侵入することができるようになってしまいます。
また、鍵を隠すときは、往々にして、室外で行うことになるでしょうから、誰が見ているかわかりません。こそこそ、キョロキョロしながら隠していたら、それこそ「ここに隠してあるよ」というアピールになりかねないのです。

安全な「隠し場所」は無いということ

安全な「隠し場所」は無いということ

このように、鍵を隠すことには、その行為自体に、それ相応のリスクが伴います。つまり「おすすめの隠し場所」というのは「無い」といってもいいでしょう。

解決策としては、さまざまなアプローチがあります。たとえば、テンキーやカードで開錠する錠前システムを導入することで、鍵の持ち運びや、受け渡しのリスクを軽減できる可能性もあります。ただし、やみくもに設備を導入すれば良いというわけではありません。快適性を損なうことなく、住まいの環境や使う人のニーズに合わせた解決策を講じることが大切になってきます。

本来、鍵は誰でも手の届くところに放置したりせずに、きちんと管理されるべきものです。ぜひこの機会に、鍵を隠すリスクについて、考えてみてください。

※「錠」と「鍵」の表記について
錠前(錠・ロック・lock)は、扉などに取り付けて締める金属、機械的または電子的な部品をいいます。鍵(かぎ・キー・key)は、錠前を施錠・解錠する(操作する)ための器具をいいます。ここでは便宜上、日常的な会話に合わせて、鍵と錠前をまとめて「鍵(かぎ)」と記載している場合があります。
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